こんにちは。ぱられるです。
今回は、米国セクターETFの1つでもある、VHTを取り上げてみたいと思います。
尚、特定のセクターに絞ったETFではなく、米国優良企業全体にまるっと投資したい場合のETFは、こちらをご参照下さい。
題名の通り、米国は先進国の中で唯一、人口増加が見込まれている国です。(同時に、ゆるやかな高齢化も)
従い、そこに求められる医療は、自然かつ着実に増加していくことが見込まれると思います。
ただ一方で、ヘルスケア業界というのは、日常でもよく耳にするように、専門用語をはじめ、訴訟リスクも飛び交う分野でもあります。
これら理由から、個別株で投資するのは、ついつい二の足を踏みがちな業界であることは間違いありません。
このような場合、個別株でのリスクを抑え、ETFで投資を行うというのは、ETFの持つメリットを最大限に享受できる、有力な選択肢の1つとなり得ると思います。
では、具体的に内容を見ていってみましょう。
VHTの基本情報
まずは、基本情報の整理です。

設定が2004年のセクター特化ETFだけあって、純資産(流動性)の面は問題ありませんね。
経費率も、さすがバンガード社といった安さです。
分配利回り「だけ」見ると約1.9%ほどと、決して高いとは言えません。
しかし、このETFは分配利回りだけで見ると、その真価を大きく見誤ります。
それは後述まで見ていただければ分かりますが、個別株リスクを抑えるETFで投資できてこの利回り、と考えると、むしろ妥当とまで言えるかと思います。
VHTの構成企業
上位10銘柄の内訳は、以下のようになっています。

目立つ点の1つは、上位10銘柄で43%と、比較的高い割合を占めているところですね。
(ちなみに、上位20銘柄までだと、この割合は61%ほどになります。)
この割合を、高い&分散が効いていないと見るかは、やや見方が分かれるかもしれません。(保有銘柄数は389だとしても)
ただ、ヘルスケア業界というのは、その開発費や買収金額がしばしば話題にあがるように、業界上位は比較的規模の世界。よって金額的にはある程度上位偏りは自然かな、と個人的には考えています。
目立つ点の2つ目は、ヘルスケア業界の様々な分野企業がしっかりと含まれていることです。
一口にヘルスケア業界といっても、その分野は、多岐にわたります。
医薬品・機器・サービスといった各商品、これにさらに、研究・開発・製造・マーケティングという要素がマトリクスとなり、各企業の守備範囲は様々です。
上の表でいえば、組み入れ3位のUNHユナイテッドヘルス(医療保険サービスに特化)・6位のMDTメドトロニック(医療用機器に特化)以外は、すべて上記分野の複合企業になっています。
ヘルスケア業界といったいわば専門業界において、こういった各企業が織りなすマトリクスに万遍なくアプローチできる点で、このVHTは、優れたETFだと思います。
VHTの価格と分配利回りの推移

価格と利回りの推移とプロットしてみると、上のようになります。
これ、とても面白い推論(というかほぼ確実か)が得られないでしょうか?
2018年に入って、急激に利回りが上昇してきているのです。
米国のヘルスケアセクターは、ご存知の方も多いかと思いますが、日本でいう国民皆保険にあたる議論等、場面場面で政策・政争の具にされ、株価はしばしば軟調となりました。
上記リスクが次第に低くなってきたのもあるのでしょうが、10年レンジとしてみると、それだけでは説明がつかないほど、明らかに利回りが上昇していると思います。
このグラフは、冒頭のヘルスケアセクターの自然かつ着実な成長を、まさに端的に示しているのではないでしょうか。
VHTと市場平均(VOO)との比較
では、市場平均(VOO)と比べるとどうなっているのでしょうか?
過去10年と過去5年、2つの比較をしてみます。


上が10年、下が5年です。(緑色が本VHT、青色が比較のVOO)
いかがでしょうか?
比較期間を長くするほど市場平均をも上回っていること、また、少なくとも過去5年で見ると、米国特有の政策的な影響を受けてきたであろうことが読み取れます。
この期間と傾向を、今後としてどう考えるかで、このETFの価値は大きく変わります。(各個人によって投資期間や目的も違うでしょうから)
このETFの真価は、インカムではなく、長期で見るほどに確実性が増すキャピタルゲインを取りに行くETFと言えるでしょう。
私ぱられるをはじめ、長期投資を求める投資家は多いと思います。
それらの方が、その投資目的を、ややキャピタル寄りに振り向ける時。
本VHTはこのデータ裏付を見ても、VOOと比べても遜色ない、相当に魅力的なETFだと考えています。

VHTのトータルリターン

この形でも、具体的に数値にすると、前述の自然かつ着実な成長を裏付けていると思います。
それこそ1年・2年といったスパンではなく、設定来としてみれば、非常に高い数値を示していることがわかりますね。
VHTの権利落ち日・分配金・支払日

ご参考として、直近2年間のデータを示しておきます。
権利落ち日は、日本でいう四半期末頃、またバンガード社の他主要ETFともほぼ同じ時期ですので分かりやすいですね。
分配金は、2015年から四半期分配に変更されたものですが、ややバラつきもある数字となっていることが分かります。
※ よって、上述の「価格と利回りの分配推移」グラフの分配利回りは、これを踏まえて、その時点の直近1年平均で算出しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この米国のヘルスケアセクターに投資できるVHTは、医療業界特有の個別株リスクを抑えつつ、自然かつ着実に成長する市場の果実を受け得る、とても魅力的なETFだと思います。
少なくとも、分配利回りたった約2%?といって検討の入口段階で選択肢から外れてしまうようなETFではありません。
まさに長期投資家向けのETFとして、皆様の新たな気付や発見につながれば、これに勝る喜びはありません。
では、良い投資ライフを!
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