こんにちは。ぱられる(@parallel)です。
今回は、個別銘柄、CSCOシスコシステムズの銘柄分析です。
シスコシステムズは、世界最大のコンピュータネットワーク機器開発会社で、ダウ平均30種にも採用されているIT界の巨人です。
インターネット接続に用いられるルータ等の各種機器を、それらをとりまくセキュリティやデータセンター等の周辺サービスとともに、ソリューションとして提供しています。
ITバブル全盛期には、時価総額1位に躍り出たこともある同社。
しかし、意外にも日本の世間では、そこまで超巨大企業でみんなに有名、というわけでもないようです。
そんなわけで、その企業内容について、本記事で掘り下げてみたいと思います。
目次
CSCOの基本情報
まずは基本情報から。(2019/7E決算実績)
会社名 | Cisco Systems, Inc. |
ティッカー | CSCO |
設立 | 1984年 |
上場 | 1990年 |
決算 | 7月末 |
本社所在地 | カリフォルニア州 |
従業員数 | 75,900人 |
売上高 | 51.9 bil.$ |
純利益 | 11.6 bil.$(22.4%) |
株価収益率 (PER) | 21.31 |
株価純資産倍率 (PBR) | 7.01 |
自己資本利益率 (ROE) | 30.27% |
配当金回数 | 年4回 |
権利落ち日 | 1/B、4/B、7/B、10/B頃 |
配当利回り | 2.5% |
連続増配 | 8年 |
売上高約5.5兆円、純利益22.4%!凄まじい数字ですね。
この時点で、ほとんどの日本企業は、息すらしてない気がしますが大丈夫でしょうか。
ハイテク産業中心のNASDAQ上場銘柄とはいえ、わずか30余年でここまでの会社ができる。これこそが、米国の強さを表しているとも言えそうですね。
CSCOの売上・利益の推移
次に、売上・利益の過去10年推移です。
ほぼ右肩上がりの綺麗な売上・利益グラフもさることながら。
まず目がいくのは、やはり営業利益率の驚異的な高さと維持力でしょう。
毎年5兆円規模の売上を上げながら、20%を超える営業利益率を維持し続けている会社。
ブログにあるまじきセリフですが、もはやコメントは不要ですね、これ(笑)
CSCOのキャッシュフローの推移
次に、キャッシュフローの過去10年推移です。
これだけのキャッシュフロー表には、そうそうお目にはかかれないのではないでしょうか。
上述の売上に合わせるように右肩上がりの営業CFの一方で、ほとんど投資CFがない。
営業CFマージンは、ほぼ25%を超える水準で維持されています。
お金の流れを想像すれば、シスコシステムズは毎年、顧客から入ってきた巨額の資金を、ほぼ投資を必要とせず自由に使える状態で、事業経営が成されているということになります。
これは、通信機器メーカーである同社は、基本的に顧客負担で機器ラインナップの維持開発が行われるからだそうですが、私はこのキャッシュフローこそが、同社が上述のような売上と利益を上げ続ける、力の源泉なのではないかと思います。
そのくらい、このキャッシュフローは美しすぎますし、これが今もなお維持され続けているのは、相当特殊な点として注目すべきものだと思います。
CSCOのBPS・EPS・DPS・配当性向の推移
こちらも利益を上げ続け、潤沢なCFを誇るだけあってさすがの内容ですね。
配当についても、シスコシステムズは2011年から配当開始していますが、連続増配8年の一方で、配当性向は健全な水準で特段の問題は見当たりません。
◆注◆
2018年も配当&増配しているのですが、EPSがデータ上0.02となっている関係から異常値(6200%)となってしまうため、あえて上表の表現としています。
(2018年度だけTaxが異常値になっているため、何らかの会計事情?ぱられるには原因が掴めませんでしたので、教えて頂ける方いましたら幸いです)
CSCOのセグメント別売上高の推移
次に、シスコシステムズの過去3年のセグメント別売上です。
同社の売上シートを見ると、サービス(この表の一番上)とプロダクト(サービス以外)に大きく分けられています。
良くも悪くも、売上に占める各セグメントの比率は、概して安定しているといったところでしょうか。
ただ、シスコシステムズは、その豊富な資金力を背景に、買収戦略へ力を入れています。
特に、ここ最近では、アプリケーションやセキュリティ管理に力を入れているようです。
単なる機器開発・メンテナンスメーカーでは今までのような大きな成長は見込めないということでしょうね。
確かに上表の売上数字面からも、特徴として徐々に表れ始めているようです。
これらの数字が今後どう変化していくのかが注目ポイントですね。
CSCOの地域別売上高の推移
地域別売上高についても、過去3年推移を見てみましょう。
全体に占める金額比率としては、こちらも大きく変化はしていないようです。
しかし、裏を返すと、主戦場のアメリカを常に押さえながら、金額比率が変わらないくらい、アジア・中東・アフリカ方面といったどの市場でも伸びている、とも言えます。
CSCOの価格の推移
シスコシステムズの直近2年価格チャートです。
参考として、ダウやSP500と比較してありますが、どちらをも大きくアウトパフォーム。
ただ、直近は、8月に同社からQ1(8~10月)の売上見通しが横ばい~2%増に留まると、以下の発表がされたこと等から、大きく値を下げています。
CSCOの権利落ち日・支払日・配当額
最後に、ご参考を含め、直近2年の配当記録を載せておきます。
四半期毎の配当額の違いはなく、権利落ち日からの支払が比較的早いのも良いですね。
権利落ち日 | 支払日 | 配当額 |
2019/7/3 | 2019/7/24 | $0.35 |
2019/4/4 | 2019/4/24 | $0.35 |
2019/1/3 | 2019/1/23 | $0.33 |
2018/10/4 | 2018/10/24 | $0.33 |
2018/7/5 | 2018/7/25 | $0.33 |
2018/4/4 | 2018/4/25 | $0.33 |
2018/1/4 | 2018/1/24 | $0.29 |
2017/10/4 | 2017/10/25 | $0.29 |
まとめ
いかがでしたでしょうか。
設立時にあったであろう爆発的な売上増加までは望めないかもしれません。
(それでも、この10年で毎年約10億ドルほど伸びてるわけですが・・・)
しかし、その強力な営業キャッシュフローマージンと、そこから更に単なる機器開発・メンテナンスメーカーから変容しようとするこの企業像は、とても魅力的に映るのではないでしょうか。
しかも、中長期的には、今後5G時代への変革を迎え、ネットワーク関連機器は個人的にますます高度化を含めた対応が求められてくるのだと思います。
シスコシステムズは、そんな時代にもまさに、多様な製品・ソリューション能力を含めて求められていくであろう企業なのではないかと考えています。
今後が楽しみですね。
では、良い投資ライフを!
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